湯葉日記

日記です

0.5人販売、ベーコン、「顔が見たい」

2020/4/5

近所の花屋さんが0.5人販売を始める。店先に花と料金箱を並べて、花を選んで料金を払った客が立ち去ると同時に店内からスタッフさんが出てきてお金を回収するシステム。店内のスタッフさんに用事があるときは店の外から電話をかけてください、ガラス張りなので外は見えます、とのこと。ゆくゆくは無人販売に移行するけれど、まずは0.5人で試してみるとインスタには書いてあった。500円玉を置くと猫の手が出てくる貯金箱みたいなしくみでかわいい。

あした行ってみようと思う。お金を払って店を離れたらふり返って、店員さんがちゃんと1.0人で存在しているのをたしかめたい。もし思ってるのと違ったらどうしよう。違ったらこわいので日記には書きません。

 

明け方から「鬼滅の刃」を一気読みしていたら昼になる。どちらかというと鬼に感情移入してしまって泣き、私も鬼になったら炭治郎に斬ってもらおうと思った。私は姑息な生き方をしているのでほとんどのジャンプ漫画の主人公のことがなんかうっすらと苦手なのだけど、炭治郎はネウロ以来の好きになれる主人公でうれしかった。

 

すこし寝て仕事を進めようと思っていたのに、フライパンで焼いたベーコンをいろんなものに乗せるゲームをうっかり始めてしまいレベル161まで行く。平たいものやカーブが緩やかなものの上にはベーコンは簡単に乗るので、鳩とか透明人間とか株価指数の上に乗せるのはすごく簡単なのだけど、鋭角なもののステージをクリアするのがめちゃくちゃ難しい。T-REX、すごい高いところにある旗、食物ピラミッドの上に乗せるのが特に大変だった。

 

夕飯の買い出しのために外に出る。スーパーの前の桜が満開だと思ったけれど、立ち止まってよく見るともう葉桜だった。おんなじように勘違いした人たちが「えっすごい咲いてる」と近寄ってきては「そうでもなかったね」と戻っていった。スーパーの明かり以外はなにもない暗い道。寒かったしマスクで眼鏡が曇っていたから、短い桜並木を歩いていると雪の日みたいだった。子どもを連れた大人と2回すれ違ったけれどマスクで誰の顔も見えなかったし誰もなにも喋っていなかった。こんなに静かな4月のなかにいたことがあったっけ、と思う。

 

本を3冊読みはじめたらどれも面白くて、もったいなくて逆に進まない。読む合間に友人たちと会いたいね、というメッセージを送り合っていたら、ある友だちが「あ~彼氏の顔が見たい」と言った。なんか新鮮に感じたのは、自分がふだん話しているときにあまり人の顔を見てないからかもしれない。「zoomじゃなくて生の顔が見たい」と言われてあんまりわかんないなあと思い、顔が見たいという気持ちをがんばって想像しようとしたけれど、あ、「声が聞きたい」ならわかる、と思った。人は自分が思うよりも五感のいろんなところで人に思い出されてるっぽい。